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会社設立時の事業目的 決める時に考える事

会社設立時に作成をする定款には「事業目的」を記載しなければいけません。

「事業目的」は、今後会社でどのような事業を行っていくのかを外部に示す文章となります。やみくもに作り、会社設立の手続きが完了した後になって、事業目的の変更(定款の変更が必要)を行うとなると、登録免許税などのコストが追加で発生することになってしまいます。

今回は会社設立時の事業目的を決める時に考えることについて解説しますので、参考にしてください。

定款とは?

定款とは、会社を運営するために必要なルールを定めた会社内で適用する法律のようなものです。会社を設立するには、この定款を作成し、法務局に登記の申請をします。

定款には「絶対的記載事項」という必ず記載しなければならない事項があります。「絶対的記載事項」の記載がない場合、せっかく作成した定款全体が無効になってしまう可能性があります。この「絶対的記載事項」の一つが、事業目的になるのです。

(参考記事)株式会社の定款認証について

事業目的を書くときの10個のポイント


では事業目的を書くときにどんなところの注意、ポイントがあるのでしょうか?10個のポイントをご紹介します。

会社は事業目的の範囲内でのみ事業ができる

法律上、会社は定款で定めた事業目的の範囲内のみ事業を営むことができるということになっております。そのため、あまり限定された内容の事業目的を定款に書いてしまうと、会社として行う事業が限定され、ビジネスチャンスを逃してしまう可能性もあります。しかし、事業目的と外れる事業や取引を行ったからといって問題となるようなケースというのは非常に限られているのが実際のところです。

予め将来行う事業を見据えた事業目的を記述する

最初は行わない事業内容であっても、将来にする可能性があるのであれば、設立時の段階で記載しておきましょう。

なぜ、すぐに始めない事業まで記載しておくのかというと、定款に事象目的として記載していない事業は、原則として行うことができない決まりになっています。定款の事業目的の記載数には上限はありませんし、記載した事業を必ず行わなければいけないということもありませんので、事業拡大を考慮して、現在の事業に関連している事業は記載しておきましょう。

事業目的は10個以内に収めよう

事業目的の上限はありません。

何十個でも可能ですが、数が多いと、その会社が何を行いたい会社か分からなくなってきますし、外部に示す文章になりますので、10個以内に収めておくことが良いでしょう。 そして、事業目的の一番目には会社のメインとなる事業を記載しましょう。その事業が対外的にも主要な業務だと認識されるからです。

違法性がある事業目的はNG

ボランティアや寄付・献金などの非営利事業や、詐欺の請負や覚せい剤の売買などの違法・または違法性を感じさせる事業目的は定款に記載することは出来ません。

事業目的の明確性

定款が記載された登記簿は誰でも閲覧することが出来ます。「この会社は何をやっているのかがわからない」と思われてしまうと、外部に与えるイメージが悪く、取引先などに不利な印象を与えるかもしれないので、誰が見てもどんな事業内容なのかわかるような記述をしましょう。新規の取引先と取引を行う際や、金融機関で融資を受ける時の審査で「この会社はどういう事業をメインで行なっているのか」を見る際の判断基準になる可能性があります。

最近では会社名義の銀行口座を開くときにも、金融機関から会社の事業内容や事業の実態がきちんとあるか?が審査される傾向がありますので、注意しておきましょう。

信用されづらい内容は避けましょう

前述の事業目的の明確性と似ておりますが、設立されたばかりの会社の事業目的が信用されづらく、たくさん書いてあった場合、「何をやっている会社か分からない」「何を目的にしている会社なの?」と思われてしまう可能性があり、取引するときにマイナスにとらわれてしまう可能性があります。

メイン業種を軸に記載していく

例えば、不動産業なら不動産業に関連する内容、介護事業なら介護事業に関連する内容というように、メインとなる業種を軸にした「目的」を記載していくことも念頭に置いておきましょう。不動産関連業務、介護関連業務、農作物販売業務などの一見まったく別ジャンルの「目的」を羅列すると、何の会社なのか想像がつきにくくなってしまいます。

少し別ジャンルの業種であっても、たとえばインターネット関連事業と教育事業などのように、事業形態の想像のつきやすい内容を目的として設定しておいたほうがいいと思います。

他の会社の事業目的を参考にしてみる

自分が会社設立する事業と近い、同業他社の事業目的を参考にするというのもひとつです。

登記簿の閲覧は所定の手数料を支払えば、誰でも見ることができます。また、企業のホームページで確認できる場合もありますので参考にしてみましょう。

事業目的の営利性

会社は利益が出ない内容を事業目的にすることは出来ません。

理由は、株式会社や合同会社は、利益を追求する組織であり、出資者(株主)に、より多くの配当を目指す義務があるので、その目的は、営利性がなくてはいけません。

許認可が必要な事業は記述する

許認可が必要な事業については、事業目的が抽象的な表現で記載されている場合、許認可が取れない場合があります。

例えば、人材派遣業ならば、「一般労働者派遣事業」や「特定労働者派遣事業」、中古販売ならば、「古物の売買」や「古物商」といった記載といった形になります。

その他にもありますので、許認可をとることを考えられているならば確認しておきましょう。

(参考記事)起業・開業前に知っておかなければいけない『許認可』が必要な業種について

事業目的は変更できるのか?

事業目的を変更することは出来ます。但し、手間とコストがかかります。そのため、最初に事業目的を記載する際に、将来の事業展開も踏まえた事業目的を記載しておくことが重要になります。

ちなみに定款の事業目的を変更する理由は以下になります。

  • 定款に記載していない事業を行う場合
  • 許認可や届出が必要な事業を行うことになった場合

事業目的変更の流れ

定款目的の変更を行いたい場合は、株主総会で株主の同意と本店所在地を管轄する法務局で変更登記申請を行います。株主総会で決議が可決された日から、本社所在地の場合は2週間以内、支店所在地の場合は3週間以内に申請の必要です。この期間内に登記が出来なかった場合、過料の制裁をうける可能性があります。また、事業目的の変更には登録免許税として3万円かかります。

主な変更事項の登録免許税

事業目的変更の注意点

事業目的を変更する際には、追加や変更する部分のみ記載するのではなく、変更登記後に登記簿謄本に記載させたい事業目的すべてを記載する必要があります。追加の目的や変更する部分のみで申請すると、もともと記載されていた事業目的が消えてしまいます。

まとめ


会社設立時の事業目的は、外部に示すことになります。何を行っている会社なのかを明確になるようにし、営利性や違法性がある事業目的NGなどのルールを守った形で、記述するようにしましょう。そして、事業目的を記載したら、最後に「前各号に付帯関連する一切の事業」という一文を入れておきましょう。この一文があることで、事業目的に記載していない事業でも、その事業と関連性がある事業であれば、記載している事業目的の範囲内として認められます。

最後に、会社設立を適切に行うためには、司法書士など(許認可については行政書士が専門分野)に相談してみることをおすすめします。専門家であれば過去に数多くの会社設立の手続きをしておりますので、その会社にあったアドバイスをしてくれるでしょう。

(参考記事)法人登記は司法書士に任せよう! 司法書士の業務とは?

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