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ベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けるリスクとは?


起業・開業したばかりのベンチャー企業が銀行などの金融機関からの直接融資を受けることはかなり難しいですが、そこで、ベンチャー企業にとって重要な資金調達先となるのがベンチャーキャピタル(VC)です。実際にこれから起業しようとしている方や、すでに経営していてこれからベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けたいと考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、ベンチャーキャピタルから出資を受けることにはリスクもあるということをしっかりと把握しておく必要があります。

今回は、ベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けることで生じるリスクについて解説していきます。

ベンチャーキャピタル(VC)とは?

ベンチャーキャピタル(VC)とは、ハイリターンを狙った投資を行う投資会社のことです。未上場の中でも、特に成長性が高いと見込まれる企業に対して出資(投資)を行います。

ベンチャー企業の株式などを引き受けることによって投資をし、その企業が株式公開するなどしたのち株式などを売却し、キャピタルゲイン(株式等の当初の投資額と公開後の売却額との差額)を獲得すること目的としています。一般的には、技術が革新的であったり、アイデア、ノウハウが優れていなければベンチャーキャピタル(VC)からの投資を期待するのは難しいのが現状です。

投資する資金については、自己資金を活用して投資するパターンと、投資ファンド(投資事業組合)を設立して投資家から資金を集めて、ベンチャーキャピタルがその投資ファンドのマネージャーとして未上場企業に投資するパターンがあります。
 

□ベンチャーキャピタル(VC)の特徴
  • 長期間のプロセスを掛けて、投資先を選定する(審査が厳しい)
  • 扱う金額が大きい、最低でも2億~3億円以上の投資額(資本金)になる
  • 投資先の会社で、役員の席を要求することが多い

ベンチャーキャピタル(VC)が利益を得る仕組み

ベンチャーキャピタルはただ資金に困っているベンチャー企業に出資してあげるだけの慈善事業ではありません。将来的には、投資した資金以上の大きなリターンを得ることを目標としています。ベンチャーキャピタルは未上場企業の株式を購入するという形で出資し、将来的にそのベンチャー企業が成功して会社としての価値が向上した時にIPO(株式上場)を行ない株式を売却したり、M&A(合併と買収)によって他のファンドに売ったりして利益を得るのです。

しかし、このように成功を収めることができるベンチャー企業はほんの一人握りに過ぎません。ベンチャー企業の90%以上は事業が失敗に終わったり、資金が尽きてしまうことによって廃業に追い込まれているというのが現状です。このように、ベンチャー企業に投資することはベンチャーキャピタルにとってもハイリスク・ハイリターン。だからこそ、ただ資金を出資して終わりではなく、ベンチャーキャピタルはベンチャー企業の経営や事業に深く関わってきます。

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ベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けるリスクとは?

では、そんなベンチャーキャピタルから資金調達を受ける際のリスクにはどんなものがあるのでしょうか?主なリスクとして以下挙げられます。

  • 経営の主導権を握られてしまう
  • 投資打ち切りのリスク
  • 新規公開株(IPO)のタイミング

それぞれについて詳しく説明していきます。

経営の主導権を握られる可能性がある

多くのベンチャーキャピタルの運用者は投資家からの資金を預かり、期限のあるファンドとして運用し、それによって得た資金を投資家たちに還元しなければいけないという立場です。そのため、何がなんでもファンドの期限までに最終目標であるエグジットに到達させたいと考えています。このように、ベンチャー企業は短期間で急激に成長することを要求されます。

そしてベンチャーキャピタルは投資したベンチャー企業がより早く大きく成長できるよう、経営方針や事業内容など深い部分にまで入り込み、コンサルティングを行ないます。経営の主導権を握られてしまうという場合もあり、当初自分やチームが思い描いていたような自由な経営が出来なくなってしまうという可能性も考えられます。意見の対立が起こってたとしても、出資してもらっている身である経営者としてはベンチャーキャピタル側の意見を無碍にすることが出来ず、フラストレーションが溜まってしまう可能性も考えられます。

しかし、今まで数々のベンチャー企業を育ててきたベンチャーキャピタルのノウハウを身につけることが出来たり、経営支援や育成によって会社を大きくすることができるなど、メリットと表裏一体な部分もあります。特にこの部分は経営スキルに乏しい経営者の場合、経験値をアップさせることにも繋がるでしょう。

■ エグジットとは
投資資金を回収する手段や戦略のことです。IPOやM&Aという方法があり、多くの場合はIPOによる資金回収。

投資打ち切りのリスク

ベンチャーキャピタルから出資を受けたとしても、事業が当初思い描いていたほど成長せず、今後の成長の見込みもないとみなされた場合、投資を打ち切られてしまう可能性もあります。すると、ベンチャーキャピタルからの投資ありきで考えていた事業計画を進めることが出来なくなってしまったり、資金繰りが出来なくなり最悪の場合事業は失敗に終わってしまうことも。

ベンチャーキャピタルによる資金調達は「出資」の形であり、銀行などでの「融資」とは違って返済義務はないものの、実際にはベンチャーキャピタル側も必死になって投資資金の回収を行おうとします。投資契約書に株式買取請求権の記載があれば、期限内に上場出来なかったとき株式を買い戻さなければいけなくなってしまい、ベンチャー企業側に事業運営に支障をきたすレベルの大きな損失が出る恐れがあります。

新規公開株(IPO)のタイミング

新規公開株(IPO)、つまり株式上場と言えば多くのベンチャー企業が目標としていることでしょう。一種の「ゴール」とも捉えられている株式上場ですが、実際にはゴールではなく企業が行っている事業をより成長させていくための「手段」です。上場したのはいいものの、下方修正を連発したり株価を大きく下げてしまう企業も少なくありません。上場すれば証券取引所で自社の株式を自由に取引出来るようになるだけでなく、会社の知名度やブランド力、信用性が向上する、市場から資金調達先を見つけることが出来るなどのメリットも多いのは確かです。

しかし、金商法や取引所のルールに従い情報開示を行う義務が生じたり、上場管理のためにもコストが発生し続けます。上場によって起こる負担に耐えうるだけの体力や持久力が必要となるため、計画的な準備が必要なのです。また、上場し自由に株式売買出来るようになるということは場合によっては株式公開買付(TOB)によって買収されてしまう可能性もあるということです。

更に、株主・従業員・取引先・地域社会・行政機関などのステークホルダーが増加することによって経営方針を全て自分の意思で決定するということが難しくなってきます。

■ 新規公開株(IPO)とは
自由な取引が制限されていた未公開株を株式市場に上場し、証券取引所で自由に売買可能にすること。

ベンチャーキャピタル(VC)を利用する上で確認したい事とは?

ベンチャーキャピタル(VC)による出資により様々なリスクが生じてくるとお伝えしてきましたが、利用する上で確認しておきたい事について紹介します。

  • ほんとうにベンチャーキャピタル(VC)を使うべきか
  • 達成できる約束をする
  • 信頼関係を築く

では、それぞれについて説明していきます。

ほんとうにベンチャーキャピタル(VC)を使うべきか

あなたの事業にVCは本当に必要なのか考える必要はあります。

  • ベンチャーキャピタル(VC)から大型調達できる事がかっこいい
  • ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達できる事業が良い事業

現在、ベンチャーキャピタル(VC)から何十億と資金を調達する事が話題になっています。しかしベンチャーキャピタル(VC)自体はファッション感覚で利用するものではないですし、ベンチャーキャピタル(VC)だけが資金調達の手段ではないという事を覚えておきましょう。自分の事業内容に適した方法で資金調達を行うべきです。

達成できる約束をする

経営者の中でも結構いるのですが、ベンチャーキャピタル(VC)と空約束する方がいます。できるだけ良い条件で出資を受けようと、絶対に無理だと分かっている内容でも「達成できる」と約束してしまうのです。達成が困難な約束は、結果的に自分の首を絞めるだけの結果になってしまいます。そんな約束をする必要は全くなく、「これは達成できる」「これは達成できない」とベンチャーキャピタル(VC)としっかり話し合う事が重要です。

信頼関係を築く

ベンチャーキャピタル(VC)から派遣されるキャピタリスト個人と信頼関係を築く事も大切です。エグジット(上場・M&A)するまでの数年間、担当してくれるキャピタリスト個人と信頼関係を築き上げましょう。心からの信頼関係を築く事で、様々な相談やディスカッションを行いやすくなります。その上で、投資後の支援内容などのイメージをしっかりと掴むことが可能です。

まとめ


将来性のあるベンチャー企業に資金不足を解消してくれるベンチャーキャピタル(VC)からの投資はとても重要なものですが、ベンチャーキャピタル(VC)からの出資を受けることはメリットばかりでなく、リスクもあるということを知らずに投資契約を結んでしまえば「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。

「今の資金繰りだと事業の成長スピードが上がらない」「大型の資金を手に入れて成長スピードを加速したい」という状況の時にはベンチャーキャピタル(VC)は便利な存在です。事業内容に応じて、本当に必要だと判断した時に出資を受けると良いでしょう。

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