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【経営者必見!】給与の計算方法や手順について解説


給与は、労働の対価として支払われる重要なものですから、その計算方法は経営者なら必ず知っておかなくてはなりません。

従業員に給与が支払われるまでには多くのステップがあるため、どのように給与計算が行われているのかを正確に把握しておきましょう。

給与計算の方法は会社によって異なる

給与の支給は、就業規則で定められた給与規定を基に計算を行い、会社が個人に支給する金額(支給額)から、社会保険料などを控除した金額(控除額)の差額が、実際に従業員へ振り込まれます。そのため、給与計算においては支給額と控除額を算出する必要があります。さらに、各種控除の金額については、会社がそれぞれ納付手続きを行う必要があります。

尚、支払日や支払いのサイクル(末締め翌月25日払いや当月20日払いなど)は、会社ごとの労働条件を定めた給与規定で定められています。時間給や日給・月給など、雇用形態によって算出方法が異なります。

そして給与計算の基本構造の理解しておきましょう。計算方法は以下になります。

総支給額−控除額=差引支給額(手取り額)

給与明細は発行義務がある!?

給与明細については、所得税法で給与明細書の交付が義務付けられており、さらに健康保険法、厚生年金保険法、労働保険徴収法で社会保険料の計算書の発行が義務付けられています。これらは法の定めにより、大きく分けて3つの項目が最低限必要となります。1つ目は支給、2つ目は控除、3つ目は差引支給額です。

そして給与明細を作成するにあたり「支給」「控除」「差引支給額」を構成要素に加えるとともに、給与明細を渡される社員にもわかりやすいように支給や控除の根拠となる「勤怠」も入れ込んでいるのが一般的です。

支給額は給与規定を基に計算する

支給額の計算は、給与規定に従って進められます。例えば「月給50万円・月の残業40時間込み・賞与なし」という規定であれば、月の残業代が40時間を超えない限り、毎月50万円を支給します。一方、「時給1,000円」であれば、月の労働時間に応じて支給額をその都度計算します。

家族手当や住宅手当、通勤手当、残業代、遅刻・欠勤なども、各社の給与規定によって計算され、支給額が決まります。

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給与明細書の構成について

給与明細は、上記でもお知らせした通り、基本的に以下4つ項目で構成されています。

勤怠

支給の計算の根拠となる勤怠では、出勤日数、有給休暇、欠勤数や残業時間などが記載されます。普通残業、深夜残業、休日出勤、休日深夜では、労働基準法の割増賃金支払いの義務があり、支給の項目での計算の根拠となるものです。欠勤日数、遅刻早退の日数に応じて支給項目の基本給を計算します。

支給

いわゆる「額面」の金額です。支給項目では、基本給(種手当を除いた基本賃金)と各種手当(家族手当、住宅手当、残業代、役職手当、通勤手当など)に支払い項目を分けるのが一般的です。

控除

支給額から控除する(差し引く)金額のことです。保険や税金が差し引かれます。保険とは、何かあったときにお金で支援してくれるものを言い、税金とは、国が運営していく上で必要なお金です。

差引支給

いわゆる「手取り」のことで、実際に従業員に振り込まれる金額です。支給額から控除した額がこの金額となります。

控除の項目について

控除の項目には、健康保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税などがあります。

健康保険

健康保険は、会社が加入している保険組合によって掛け率が異なります。保険組合ごとに健康診断の受診時に補助金が出されるなど、バリエーションがあります。

厚生年金

厚生年金は、年金制度の土台となる国民年金と会社員のための上乗せ制度である厚生年金の二つの年金制度の保険料が合わさって厚生年金という名前で天引きされます。

健康保険・厚生年金では、毎月の給料などの報酬の月額を区切りのよい幅で区分した標準報酬月額と標準賞与額から保険料を計算します。

介護保険

介護保険は、40歳以上になると介護保険料を負担します。介護が必要な方が適切な介護サービスを受けられるように支えるための負担金です。

雇用保険

雇用保険は、会社員の働く環境を守るための保険で、失業した場合に支給されます。課税対象額は、税金や社会保険料などを差引く前の総賃金で、通勤手当といった所得税の計算では非課税の手当も対象となります。負担額については、会社側と従業員側で半分ずつ分けられます。

所得税

所得税は、個人の所得に対して課される税金です。毎月の給与から天引きされる所得税は概算であり、年末調整時に正式な納税額が計算され12月の給与で調整されます。12月の給与で概算していた所得税が正式な納付額よりも多いと還付され、少ないと足りなかった分を徴収されます。

住民税

住民税は、地域社会でかかる費用を住民に分担してもらうという税金です。前年度の所得に対して課税された住民税が天引きされます。前年度の所得に対して課税されるので、社会人1年目の方で、前年度所得がなかった方には課税されません。この住民税の額については、市区町村から送られてくる「住民税課税決定通知書」の額をもとにします。

給与計算に必要な情報とは?

給与は、各従業員の労働条件や控除額を基に計算します。給与計算において必要な情報は、あらかじめ確認しておきましょう。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書提出

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、採用時に必ず提出してもらいましょう。扶養人数などの申告書の内容に応じて、源泉徴収税額の計算を行います。

振込口座

給与の支給については、法律の原則は現金手渡しとなります。銀行振込の場合は、従業員ご本人の同意が必要です。お振込みの場合は銀行名や支店名、口座番号など、必要な情報を確認しておかなければいけません。会社が提携している銀行と同じ銀行や支店に、従業員の口座を作ってもらうようお願いすることで、手数料の負担を軽減することができます。

通勤経路

通勤にかかる交通費を支給する場合は、通勤手段やルート・定期券の有無などを確認して、各社の給与規定に基づいた額を支給します。

勤怠記録

残業時間や休日出勤・欠勤・有給などの状況を確認するために、日々の勤怠を記録したタイムカードや情報を使用します。また、アルバイトなど時給で給与計算をする場合、勤務時間を算出するための根拠になります。

そのほかの控除や支給の対象となるもの

ほかにも、報奨金や賞与、住宅借入金、財形貯蓄、確定拠出年金など、従業員ごとに控除・支給項目が異なる場合があります。漏れのないよう、十分確認を行いましょう。

給与計算の手順について

必要な情報をそろえたら、一般的に以下の手順に従って給与計算を行います。控除額は計算する順番が決まっているため、注意が必要です。

勤怠状況を確認する

それぞれの従業員の勤怠記録を基に、労働時間や出勤状況をまとめます。

支給額を計算する

給与規定を基に、基本給や手当、勤怠記録と合わせて、支給額の計算をします。

非課税支給額を確認する

非課税支給額とは、所得税の対象にならない支給額のことで、定期代やガソリン代などの通勤手当などが該当します。通勤手当の支払いの有無は、給与規定によって異なります。

控除額を計算する

控除額は、まずは厚生年金や健康保険、雇用保険などの社会保険料の計算をします。雇用保険は非課税支給額を含むそれぞれの月の賃金額によって異なり、厚生年金と健康保険は「標準報酬月額」によって決まります。標準報酬月額とは、毎年4、5、6月の非課税支給額を含む賃金の平均額のことで、昇給などがあった場合は除きます。

次に、所得税を計算します。所得税は社会保険料を控除した後の金額にかかるため、先に社会保険料を計算します。

最後に、住民税や社宅家賃など、金額が決まっている控除額を差し引きます。住民税は、前年の所得額と住んでいる地域によって決まり、月に1度、市区町村より会社あてに納付書が送られます。

手取り金額を算出

支給額からすべての控除額を引き、手取り金額を計算します。

台帳を作成する

全従業員の支給額と控除額の明細を記載したものが賃金台帳です。事業主には作成が義務付けられています。給与明細でよいのでは?と思いがちですが、賃金台帳には、給与計算の根拠となる賃金計算期間、労働日数なども記載されているのが大きな違いです。

従業員への支払い&税金や保険料の支払いをする

賃金台帳が作成されたら、それを元に給与明細の作成や封入、給与振込や税金、保険料の支払いを行ないます。これらの業務は、給与計算の外注業務として、税理士などに依頼することも可能です。

給与計算は順を追って行いましょう。給与計算には多くの手順があります。給与計算の締め日から支給日までの期間が短い場合は、あらかじめできることを早めに確認しておきましょう。

給与明細についてのルールとは?

給与明細を作成するときに必要なものとしては、勤怠データに必要となる「タイムカード」、控除項目の計算に必要となる「健康保険と厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書」、「住民税課税決定通知書」、「健康保険と厚生年金保険の保険額表」、「雇用保険率表」、「給与所得の源泉徴収税額表」があります。このうち、「健康保険と厚生年金保険の保険額表」、「雇用保険率表」、「給与所得の源泉徴収税額表」の3つは、国税庁のホームページでダウンロードでき、その表を見ながら、控除額の計算を行います。

そして企業側には給与明細を保管する義務はありませんが、給与明細を作成するのに必要な情報を記した書類などは保管義務があります。
 

◇3年間保管が必要な書類

以下、書類については労働基準法にもとづいて3年間保管が必要です。

  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する書類

 

◇7年間保管が必要な書類

以下、書類については国税通則法にもとづいて7年間保管が必要です。

  • 給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書
  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 源泉徴収簿

なお、給与明細をもらう社員側であっても、会社が年金の納付を怠っていないか確認したり、自分で確定申告を行ったりする場合や、失業給付の申請を行う場合に給与明細が必要となることがあります。また、残業代の未払いがないかチェックする際にも必要となります。未払い給与や未払い残業代の請求期限は2年です。

そのため、最低でも2年間は保管することが必要です。 また、年金に関しては数年経過した後に過去未納分について確認されることもあるので、証明のために給与明細を保管しておくと安心です。

給与計算は税理士か社会保険労務士(以下、社労士)などに依頼ができる

確定申告書の作成や労働保険の手続きなどは、業務を代行できる有資格者が決まっています。ところが、給与計算は、誰がやっても問題がない業務です。多くの事業所では、税理士または社労士に業務代行を依頼しています。どちらに依頼するかは、それぞれの資格者だけが行なえる、「独占業務」の違いを考慮して決めるのが一般的です。

税理士の独占業務

税理士は税金に関する有資格者です。確定申告や消費税など、税に関する申請書の作成、申請代行のほか、税に関するコンサルティングなどが独占業務になっています。そのため、給与計算を依頼すると、所得税の計算や年末調整など、税金の計算もまとめて依頼できます。

社労士の独占業務

社労士は社会保険労務士の略称です。人事や労務管理が専門で、独占業務は、労働保険、社会保険の手続きのほか、労働者名簿や就業規則の作成などです。給与計算を依頼すれば、従業員の入退社手続きや、毎年の社会保険の更新、変更手続きなどを一緒にやってもらえます。

代行業者に頼んだ場合

最近では、給与計算を専門にしている代行業者も増えています。勤怠管理から給与明細の発行まで管理できるシステムを開発している業者もあり、管理する従業員が1,000人規模の大企業では、代行業者に依頼することが多くなっています。ただし、年末調整や社会保険等の手続き代行はできないので、それぞれの専門家に分けて依頼する必要があります。

まとめ


いかがでしたでしょうか。今回は、給与の計算方法や手順について解説しました。給与計算は自分たちが思っている以上に大変な仕事なのです。

専門家に依頼できる会社は依頼して、自分自身で行う場合は、知識を深め、内容を把握し、それと同時に現在給与明細を簡単に出せるツールが出回っていますので、活用するようにしましょう。

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