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会計帳簿の保存期間は?個人事業主と法人の違いと保存方法について解説


会社を経営している方なら、日々作成した経理の書類を大事な決算のために、きちんと保管することは常識としてご存知かと思いますが、決算が終わった後でも、それらの書類を一定の期間保管しておかなければなりません。また、帳簿の保存は原則的に紙保存となるため、帳簿を整理しながら管理しないと紛失などしてしまうこともあります。保存場所の確保や保存方法もしっかり考えておく必要があります。

今回は、会計帳簿の保存期間や個人事業主と法人の違いと保存方法について解説していきます。

会計帳簿とは?

会計帳簿とは、会社法によって作成が義務付けられている帳簿のことです。会社の財産に影響を及ぼす日々の資金の動きを詳しく記載するもので、社内の経理処理はもちろん、決算書の貸借対照表などを作成する際にも欠かせません。

会計帳簿は保存対象となる重要な資料ですが、結論から言うと、会計帳簿は主要簿補助簿の2つから構成されます。

主要簿は企業が必ず作成する必要がある総勘定元帳仕訳帳日記帳から構成されます。補助簿は企業が必要に応じて作成している帳簿で、売掛金元帳買掛金元帳現金出納帳固定資産台帳経費帳といった帳簿が存在します。
 

■主要簿の内訳
  • 仕訳帳
  • 日々行われる取引について順に記載し、勘定項目ごとに仕訳する帳簿です。後から見ると「取引の年月日」「取引の内容」「取引金額」が確認できます。

  • 総勘定元帳
  • 仕訳帳を基に、それぞれの取引を勘定項目別に分類して個々にまとめたものです。

  • 日記帳
  • 日記帳は、毎日の取引について発生順に記載していくものです。「お小遣い帳」のような役割だと考えればいいでしょう。

 

■補助簿の内訳
  • 売掛金元帳
  • 行った取引について、得意先別に分けて記載するために用いる帳簿です。売掛金の発生なども、この帳簿に記録することになります。

  • 買掛金元帳
  • 仕入先別に分けて取引を記載する帳簿です。仕入で発生した買掛金についても、この帳簿に記録されます。

  • 現金出納帳
  • 現金で行った取引について、収支を正確に記載するための帳簿です。ご家庭における「家計簿」のようなものと考えると良いでしょう。

  • 経費帳
  • 経費帳は、事業を運営するためにかかった経費について、「消耗品費」「給料賃金」のように勘定科目ごとに記録していく帳簿です。

  • 固定資産台帳
  • 固定資産台帳は、固定資産を有している企業が作成する帳簿です。固定資産は、10万円以上で購入し、事業のために1年以上使う資産のことです。

会計帳簿をつけるときのルールとは?

帳簿をつけるときは、いくつかルールを守らなくてはなりません。記帳の際、以下に注意してください。

数字はアラビア数字を用いる

会計帳簿の数字は、漢数字ではなく、アラビア数字で記載します。アラビア数字とは、一般に用いられている0・1・2・3・4・5・6・7・8・9の10個の数字の事です。

決められた略字を用いる

会計帳簿には、略字を用いることができます。取引の内容が一目で把握しやすくなるように、単価の数字には「@」、円は「¥」、第●号は「#●」といった表記で記載すると良いでしょう。

訂正の際は2本線を引く

紙の帳簿の場合、間違った数字や文字は、修正ペンなどは使わず、2本の平行線を引いて修正します。訂正後は、線の上か下、または左右の余白に正しい数字や文字を書きましょう。訂正印は、線の右側に押します。

【青色申告】個人事業主の帳簿の保存期間(7年間)

青色申告での帳簿の保存期間は7年間となっています。特に複式簿記の場合、仕訳帳や総勘定元帳は主要簿として必ず保存しておきましょう。

【主要簿】青色申告で必要になる帳簿の種類

  • 仕訳帳
  • 総勘定元帳
  • 日記帳

【補助簿】青色申告で必要になる帳簿の種類

  • 売掛金元帳
  • 買掛金元帳
  • 現金出納帳
  • 経費帳
  • 固定資産台帳

帳簿以外の必要書類と保存期間

また、帳簿以外にも保存が義務付けられている必要書類がいくつもあり、代表的なものを挙げると、以下の書類をそれぞれの期間保存しておきます。
 

7年間の保存義務
  • 損益計算書
  • 貸借対照表
  • 棚卸表
  • 領収書
  • 預金通帳 など

 

5年間の保存義務
  • 領収書
  • 契約書 など
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【白色申告】個人事業主の帳簿の保存期間(5~7年間)

白色申告では、帳簿の保存期間が5~7年となり、帳簿に書かれている内容によって保存期間が変わります。但し、どのみち7年保存する帳簿が出てくるので、基本的には全ての帳簿を7年間保存しておくものと思っておいていただければと思います。ちなみに保存年数ごとの帳簿の違いは、収入や経費の記載がある帳簿は7年、その他の帳簿は5年となります。

白色申告で必要になる帳簿の種類

  • 現金出納帳
  • 売掛金元帳
  • 買掛金元帳
  • 経費帳
  • 固定資産台帳

白色申告で必要になる帳簿は上の通りです。上記の5種類の補助簿はたとえ白色申告でも作成して保存しておかなくてはなりません。

帳簿以外の必要書類と保存期間

決算関係書類がないので青色申告ほど多くありませんが、白色申告でも以下の書類は5年間は保存しておく必要があります。特に領収書は白色申告の個人事業主の方でももらうことが多いので、しっかり保存しておきましょう。
 

5年間の保存義務
  • 領収書
  • 請求書 など

法人の帳簿の保存期間(7~10年間)

法人の場合も作成した帳簿は確定申告書の提出期限から7年間の保存期間が設けられています。

欠損金がある場合の事業年度は10年間の保存義務

法人で青色申告の場合、欠損金が生じる事業年度に限り帳簿の保存期間が10年間に延長されます。

会社法では10年の保存期間 原則的に10年は保存しておく

ただし、7年の保存期間はあくまでも税制上での決まりです。会社法では、10年間の帳簿の保存期間が定められていますので、法人の場合は、種類にかかわらず10年間は帳簿の保存を行うものだと認識しておいてください。

帳簿を保存していなかった場合の影響

保存が必要な帳簿を保存していないことが分かった場合、主に以下2つの大きな影響が出てくることが考えられます。

青色申告が取り消される可能性がある

青色申告を受ける条件の1つに帳簿の作成・保存義務があります。税務調査などの結果、必要帳簿が保存されていないことが判明した場合、帳簿がない年の確定申告の青色申告と次回からの確定申告が白色申告になる可能性があります。

メリットを分かっていて青色申告にされている方が多いと思いますが、取り消されることで、青色申告特別控除などで下げられていた分の税金も納める必要性も出てきます。取り消された後も青色申告の再申請は可能ですが、申請できるまでの1~2年間は白色申告で確定申告しなくてはなりません。

消費税に関するデメリット

事業主は売上で発生した消費税額から、仕入で支払った消費税額を差し引いて税務署へ納付しています。その際の「仕入で支払った消費税額」は、それに関わる帳簿や書類が揃っていなければ控除を認めてもらえません。

つまり、仕入時に支払った消費税を差し引いてもらえなくなりますから、売上で預かった消費税の全額を納付することになってしまいます。

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会計帳簿の正しい保管方法


会計帳簿は法規に則って保存期間を守ることはもちろんですが、可能であればすべての帳票類を破棄することなく長期にわたり保管しておきたいものです。しかし、紙の状態でたくさんの書類を取っておくのは大変と多くの方が思っているはずです。ここでは、会計帳簿の適切な保管方法についてご紹介します。

原則として紙保管

税法上、帳簿や書類は原本での保管が必要となります。多少面倒ですが、紙の状態で保存しておかなければなりません。「紙のスキャンデータやDVDなどへ記録したデータでの保管はできないの?」と考えてしまいますが、現状のところ最も安心なのは紙の原本による保管でしょう。ただし、税務署に届け出をすればデータによる保管が可能になる書類もありますから、保管方法にお悩みであれば次にご紹介する保管方法も検討してみてください。

6年目以降はマイクロフィルムによって保存可能

紙で保管していた帳簿や書類は、6年目以降になるとマイクロフィルムによる保存が許可されています。(一定の書類は4年目以降から可能)なお、マイクロフィルムでの保存には、一定の基準を満たすマイクロフィルムリーダ又はマイクロフィルムリーダプリンタが必要です。マイクロフィルムでの保存には手間がかかりますが、いち早くペーパーレスを実現したいと考えている方は、導入を検討してみてください。

電磁的記録(CDやDVD、クラウドサーバーなど)の形で書類を保管する

最近では税務署がインターネット経由での確定申告を推奨していますから、その流れで実は電磁的記録による帳簿類の保管も認められています。ただし、その場合はただ保管しておけば良いというのではなく、電磁的記録による保存を開始する3か月前までに管轄の税務署へ申請書を提出し、承認を受けることが必要となります。

スキャンデータによる保存は可能

紙の書類をスキャンしたデータで保存することも可能です。この場合も、保存を開始する3か月前までに税務署へ申請書を提出し、承認を受けなければなりません。また、注意したいのは「書類」のスキャンデータ保存は可能であっても「帳簿」は原本保管となるため、従来通り紙の状態で別途保管しておかなければならない点です。紙とデータの状態でそれぞれ保管することになり混乱も招きやすくなりますから、どちらかといえば電磁的記録による保存を選択するケースの方が多いのが現状です。

電子取引時は、電磁的記録を保存する

電子取引をした場合は、電磁的記録を保存します。近年は電子間による取引が増えてきたので、紙に残らない帳簿が増えてきました。それをわざわざ紙に出力して保管していると手間が大きいので、紙ではなく、電磁記録による保管が認められています。この保存に関しては税務署への申請や許可は必要なく、すべての法人が保管義務を持ちます。電子取引なので消えることはほとんどありませんが、いつでもさかのぼれるようにキッチリ記録しておきましょう。

まとめ


いかがでしたでしょうか?帳簿の保存期間は、個人事業主や法人、白色申告と青色申告で若干変わりますが、基本的には7年以上は保存するものだと思っておきましょう。数年分の帳簿ともなると相当な量になってきますので、場所の確保と準備、管理方法についてもある程度考えておきましょう。

帳簿を保存していないことに対する直接的な罰則はありませんが、認可されない控除が出てきて、追徴課税としてプラスで税金が課せられる可能性が出てきます。法人の方でも個人事業主の方でも、保存期間内は帳簿を紛失してしまわないような管理体制を作っておきましょう。

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